大朝いろ

大朝の「ひと、もの、こと」をご紹介します。

カラフルな盆灯篭をつくってみました

広島県(とくに西部)でお盆の時期によくみられる、浄土真宗安芸門徒のカラフルな盆灯篭。みなさんはご存知ですか?

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アサガオ型に組まれた竹に、赤や黄色の和紙を貼って作ったものです。お盆の間、お墓に立てられます。由来は定かでないそうですが、一説に「広島の城下町にあった紙屋の夫婦が、娘の死を悲しみ、墓に手作りの灯篭を供えたのがはじまり」とあります。

 

広島市出身の私も幼いころから見慣れていますが「毎年みられる光景」以外には何も知らずに育ったので、どうやってできているのか、どんな意味があるのかはさっぱりでした。

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大朝では、毎年6~7月にこの盆灯篭を作っている人たちがいます。写真に写るおかあさんは、アルバイトで長年作り続けているそうです。

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話しを聞いている間にも、手際よく作業を進めていました。障子糊を使って何本もまとめて和紙を貼り、乾いたものから次々と装飾を付けて完成させていきます。写真撮影は一緒に取材をした地域協議会の山本さんに任せて、私も作ってみました。

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▲骨組みは竹の竿。 仕入れたものです。先端に切れ目が入っているので広げてアサガオ型にします。そこに、同じく竹を折り曲げた六角形のものを付けます。

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 ▲骨格完成

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骨格ができたら、和紙を貼るところに糊を塗っていきます。一閑張と工程が似ていますね!

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糊を塗り終わったら、乾かないうちに和紙を貼っていきます。色の順番が決まっていて、黄色の和紙を前にして、糊を足しながら(紫の和紙を除き)すべて貼っていきます。紫の和紙は一番最後に、骨格の上半分だけ貼ります。その理由は昔、あいたところから灯篭の「火」を入れるためだったそうです。現在は火事になってはいけないので火は入れませんが、名残りとして同じ作り方で続いています。

f:id:oasa_iro:20180618112233j:plain和紙を貼り終わったらしっかり乾かして、装飾に入ります。竿の上3分の1ぐらいまで、細長く赤い和紙を巻き付けます。f:id:oasa_iro:20180618112115j:plain

棒の装飾ができたら、「つの」と呼ばれる金の紙を、和紙と和紙の間に貼ります。

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▲つくっているおかあさんによると、折り紙の飾りは「かんざし」、細長く垂れる和紙を「そうめん」と呼んでいるそうです。「どこまで通用するかはわからんが」とのこと(^▽^)

 

黄色の和紙の両サイドに貼る「つの」には「そうめん」もつけます。「かんざし」は針金についていて、黄色の和紙の両隣に刺して巻き付けます。

 

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きれいにできました*

 

ここでは約2か月の制作期間の間に、2000本以上作られるそうです。それでも足りないときがあるとか。家族のお墓参りにもっていく人が多いのですが、家族以外の知り合いなどのお墓参りに「来ました」というしるしとして、裏に名前を書いてから立てて帰る人もいるそうです。たくさんの人がお参りに行っていることがわかりますね。

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ちなみに白い盆灯篭もあるのですが、こちらは初盆用。「あまりたくさんは作りたくないね」とおかあさんがしみじみおっしゃっていました。

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これまでの写真で紹介したものは、黄色の和紙に浄土真宗の「南無阿弥陀仏」が書かれていましたが、カラフルな盆灯篭の中には蓮の花が描かれ、竿が黒塗りのものもあります。こちらは豪華版で、価格が少し高いそうです。(盆灯篭は600円~1000円前後。素材によって価格が異なります)

 

いままで何気なく見て過ごしていましたが、種類や意味があるとは知らなかったです。

亡くなった方を思う気持ちが集まっているんですね。ここで作られた盆灯篭が、今年もたくさんの人に届くことを願います。